5.勉強




「・・・・わかんねぇ」

辞書とにらみ合いながら必死に勉強していた日向さんが、呟いた。




東邦学園はただいま、テスト期間。

この時期はどの部活も活動を停止する。

無論、サッカー部とて例外ではない。

部活のせいで学業がおろそかになったという言い訳も通用しない。





ということで、一緒に勉強をしていたわけなのだが・・・。





「日向さん・・・。またですか?」


ふう、とため息をつく。


「いや、もう全然、さっぱり分からん。なんでここの単語がこっちにくるんだよ。」



・・・・・



特別、頭が悪いわけではない。


むしろ基礎はできているほうだ。


しかし応用が混じるとだめらしい。









  なんか、日向さんらしいな・・・。











「いいですか?この単語が・・・・」


自分の教科書を使って細かく説明していく。


それを除きこむ日向さん。







・・・・・か、顔がすぐ近くに・・・・。







お、落ち着け自分!と、なんとか理性を保つ。





「ん〜、わかんねぇ・・・・。おい、若島津、もう一回・・・・?
 おい、なにボーっとしてんだよ。」


目の前で手を振られてふと我に帰る。


「・・・・えっ、あ、は、はい?なんですか?」



思わず声が裏返る。


「お前な・・・・勉強教えてくれるって言ったのお前だろうが・・・・。
なのにボーっとしやがって・・・。」



「あ、あはは、すみません・・・・。」
















「・・・・・・・サッカー、やりてえな。」



ふと、そんなことを口にする。


「あんた・・・・、今それはタブーですよ。」



こんなときにサッカーなどしたら、勉強どころではなくなる。



「いや、やろう。おい、いくぞ。」












・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・










はあ?







「い、今なんと・・・・・?」




「耳まで遠くなったのか?サッカーしに行くぞって言ってんだよ。」





「い、いや日向さん、あんた勉強は・・・?」




「んなもん後回しだ、後回し。」








ま、またこの人は・・・・・・。






「気晴らしだよ。少しぐらいいいだろうが。」







「・・・・・・・あのねえ・・・・。」






「・・・・・んだよ。



・・・・・もういい。じゃあ俺一人で行ってくるわ。じゃあな。」




やや不機嫌、やや寂しそうにそう言い残して出て行く。








「・・・・・」








ああ、やっぱだめだ。








「・・・・・・・あんな顔されちゃあ、行かないわけにはいかないでしょう・・・・・。まったく。」










結局は、いつも振り回されているのか。



















まあ、それでもいい。








少しでも、あの人と一緒にいれるのなら。















「なんだよ。結局来るんじゃねえか。」





「あんたがあまりにも寂しそうだったからねえ?」




「だっ・・・・誰が寂しいもんかよ!」


「またまた、赤くなっちゃって。」


「・・・・!!知るか!ほら、行くぞ馬鹿島津!!」














あとがき


何だこいつら。

な、なんでこんなに甘くなったのか・・・・?
日向さん性格全然違うし!!!!!
若島津は余裕なんだかそうでないんだかわからんし!!!


これ、途中まで小次健っぽかったんですよ・・・・。
んで、「やばい!!!」とおもって、慌てて最後のほうにせりふを入れました。(おい)