MIGHTY MIND




ああ、むかつく。









なんなの?あいつ。









弱いくせに強がって、


無理して空回って。

















でも―
















だれよりも、強い。



















「ちょっとちょっと!?か弱い乙女になんてこというのよ!」


「ハッ。テメェがか弱い?
寝言は寝てから言えってんだ。」


「ぬぁんですって〜!!!!」






今日も今日とてあたしたちは喧嘩をしていた。


他の人はもう慣れてしまったのか、止めようともしない。


本当に、ごく普通のことだった。


あたしが、あの言葉を言うまでは・・・・。










「・・・・っあんたなんか、あたしより弱いくせに!!」




「・・・・!!」









あ・・・・・・








言ってしまった。





あたしから見ても、あいつが動揺しているのが分かる。



「アーチェ!!」


クレスの怒っているような声が聞こえた。


それと同時にあいつは部屋から出て行く。


「やっば・・・・。」


あたしは慌てて後を追った。
















まずい。

















まずい。
















まずい!!!














頭の中でその言葉が反響する。








ばかだなぁ、あたしは。




















言った後じゃ遅いのに。


























いまさら後悔してる。





「・・・・どうしよう。」



だんだん不安になってくる。



「・・・・・ええい、ここでこうしてても始まらない。
まあ、なんとかなるさ!!!」


不安をかき消すように、そう呟く。




そんなことを言っているうちに、町外れの上空に着いた。


目を凝らしてあいつを探す。


「・・・・見つけた!」








路上に急降下する。


「・・・・・っ待ちなさいよ!」


あいつがあたしに気づいた。


意外なことに、あいつは逃げようともせず、ただ黙ってあたしのほうを振り向いた。





「・・・何か用かよ。」




普段より、一段低い声。









・・・・・やっぱり怒ってるや。








「あ、あのさぁ・・・・。」


謝りたいと思ってはいるのだが、あたしのくだらないプライドが邪魔して、なかなか言い出せない。









「・・・・・・・・・・・・・・・。」








沈黙が続く。


それを破ったのはあいつのほうだった。


「・・・・なんか言いたいんじゃねーのかよ。」






むかっ。





こいつ・・・・、分かってるのに、わざとあたしに言わせようとしてんの!?



「な・・・・何よ!あんたが勝手に出てったから追いかけてきたんじゃない!!!」



「・・・・・は?」


呆れたのか驚いたのか、あいつはぽっかり口をあけたまま。


しかし、あたしの口もふさがらない。


「あたしに口で負けたからってなんで飛び出していくわけ!?
ほんっと、根性ないんだから!それでも男なの!?」












言うだけ言ってしまったあたしは再び黙る。










し・・・・・しまった・・・












またやってしまった。



内心うろたえる。











「・・・・・・確かに、お前の言うとおりだな。」


ふう、と、あいつはため息をつく。


てっきりまた口喧嘩が始まると思っていたあたしは少し拍子抜けした。


「お前の言ってることは正しい。確かに俺は弱い。」


下を向き、淡々と、冷静に語る。





「・・・・けど、だから」


不意に顔を上げる。


「だから俺は、強くなるんだ。
・・・・・・・お前に負けないぐらい。」


それは、決意をあらわにした、立派な男の顔。



「・・・・・・!」















こいつは


















パーティの中で一番弱くて、でも強がって、空回りする。



















だけど、


















「・・・・・ごめん。」















誰よりも、強い心を持っている。














「・・・・・なんでお前があやまるんだよ・・・・・・。」






















少し、羨ましい。














「だって・・・・・・」

















あんたのその前向きさが





















「・・・・あんたはあたしより強いもん」

























強い心が



















「・・・は?なんて言ったんだ?」





























あんたは、強いよ。









































「・・・・・何でもないわよ!バーカ!!!」



















あとがき


な・・・・・長い。こんなに長いの書いたのは久々だ。

えっと、これは私が発行しているメルマガで配信した小説です。
適当に書いていったらこんなに長く・・・・・。
強さとは何か。
チェスターは、ある意味一番強いと思う。