苛々する。



全くもって不愉快だ。






仮面





「…でよ、それでイヌヲに呼ばれてさ…」



お前はいつでもそうやって、楽しそうに他人のことを話す。



「…で、ジョニーがキャロルにぶたれてよー…」



私は何時もそれに耳を傾ける。



「馬鹿だよなー。あ、それにカヅキとアルハイムまで加わってきて…」



ただひたすら、耳を傾けるだけ。



「も〜何がなんだかさっぱり分かんなくなったわけだ。そしたら…」



なのに何故か。
あいつの口から他人の名前が出てくると、苦しくなる。


「…もーホント、毎日毎日飽きないよな〜…」



誰かに対して笑いかけるのを見ると、苛々する。



「……………イージス?」



そうやって、私を見つめる瞳を、独占したいと思っている。



なんて強欲。
なんて愚かな。



「………何だ、バカエル。」



それでも必死で、その気持ちを抑える。



気付かれないように。
悟られないように。



「ちゃんと話聞いてたか〜お前?」



そうして私は仮面を被る。



「お前ではないんだ、シッカリ聞いている。」



偽善と言う名の、仮面を―





END.